超高齢社会を迎えた日本において、認知症は誰にとっても身近な存在となりました 介護のプロフェッショナルとして、あるいは一人の人間として認知症をどう捉え、どう向き合うべきか 本質的な理解と具体的な技術を解説します

1. 認知症について:単なる「物忘れ」ではない脳の病気

認知症とは、脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりすることで、認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します
「物忘れ」と「認知症」の違い
加齢による物忘れは「体験の一部」を忘れます(例:朝食の献立を忘れる)しかし、認知症は「体験そのもの」を忘れます(例:朝食を食べたこと自体を忘れる)本人の自覚が乏しく、ヒントを出しても思い出せないのが特徴です
主な4大認知症
- アルツハイマー型認知症: 最も多く、記憶障害から始まり、ゆっくりと進行します
- 血管性認知症: 脳梗塞や脳出血により起こります 症状が階段状に悪化し、できることとできないことがはっきり分かれる「まだら認知症」が特徴です。
- レビー小体型認知症: 実際にはないものが見える「幻視」や、手足が震えるパーキンソン症状が現れます。
- 前頭側頭型認知症: 感情の抑制が効かなくなったり、社会的なルールを守れなくなったりする行動異常が目立ちます
2. 日常での困りごと:背景にある「中核症状」と「BPSD」

現場で私たちが直面する「困りごと」は、大きく2つの層に分かれています。
① 中核症状(脳のダメージが直接引き起こす症状)
- 記憶障害: 新しいことを覚えられない
- 見当識障害: 今がいつか、ここがどこか、目の前の人が誰かがわからなくなる
- 実行機能障害: 段取りを立てて行動できない(料理や着替えができない)
② BPSD(行動・心理症状)
中核症状に、本人の性格、環境、人間関係などが絡み合って起こる二次的な症状です
- 徘徊: 「家に帰らなきゃ」という目的があるが、場所がわからず歩き回る
- 暴言・暴力: 自分の不安や不快を言葉で伝えられず、防衛本能として表れる
- 不潔行為: 便を触る(弄便)などは、違和感や「片付けよう」とする不適切な意欲から起こります
3. 対策:環境と心身の両面からアプローチする
「困った行動」を力で抑え込むことは対策ではありません 背景にある原因を取り除くことが重要です 毎日接していると何を求めているのか自然とわかってきます ですが接する時間が長ければ長いだけ介助者も疲労が蓄積してきます 程よい接し方を見つけて自分を許すことを心がけ下さい
物理的環境の整備
- トイレの場所がわからず探している事例では
- わかりやすい標識: トイレのドアに大きく「お手洗い」と書く、あるいは絵で示す
- トイレのドアを開けっぱなし 電気をつけておく
- 夜間なかなか眠ってくれないような事例では
- 刺激のコントロール: テレビの音が大きすぎないか、照明が眩しすぎないか 五感への過剰な刺激は混乱を招きます
- 室内の室温は適切なのか その方 の生活暦 性格を理解していくつかの方法を試しベストな環境を作る
身体的要因の確認
BPSDが急に悪化したときは、まず「体の不調」を疑います
- 便秘になっていないか
- どこかに痛みはないか
- 脱水症状を起こしていないか。 言葉にできない苦痛が「イライラ」として表れているケースが非常に多いのです
簡単に言うと、脳の病気そのものが原因で起こる「物忘れ(中核症状)」に、その人の性格、環境、体調、周囲との人間関係などが複雑に絡み合って現れる「二次的な症状」を指します
怒りっぽくなったり何かを家族のせおにするような兆候があればBPSDを疑って下さい
役割と活動の提供

「自分は役に立っている」という感覚(自己有用感)は、周辺症状を劇的に落ち着かせます 洗濯物を畳む、テーブルを拭くなど、その方が得意だったことを「お願い」する形で生活に取り入れます 介護施設では利用者の洗濯物が多く職員が全員の分を畳んでいると他の業務が出来なくなり後に時間に追われる状況を作ります 一緒に洗濯物を畳んで利用者のたたみ方を労い信頼関係を深めていくことがいいでしょう この行為がレクリエーションの一環や手作業となり楽しい時間を作ることが出来ます

4. 声かけの方法:心を閉ざさないための「3つの「ない」と3つの「あ」」

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認知症の方とのコミュニケーションで最も大切なのは、「何を話すか」よりも「どう感じてもらうか」です。
避けるべき「3つの『ない』」
- 否定しない: 「さっき言ったでしょ」「違いますよ」は禁句です。本人の世界ではそれが真実だからです
- 怒鳴らない: 強い声は恐怖心だけを植え付け、信頼関係を破壊します
- 急かさない: 認知症の方は情報の処理に時間がかかります。こちらのペースで進めるとパニックを起こします 介護施設で働いているとやることが山積みとなっています どうしても急かしたくなりますが急かすといいことはありません 時間がかかる人には余裕を持って接するように調整します 各利用者の特徴を考え働くといいでしょう スケジュールを上手に組む事が大事です
実践したい「3つの『あ』」
- あわせる(共感): 「財布を盗まれた」と言われたら、「それは大変でしたね、一緒に探しましょう」と、まずは不安な気持ちに同調します
- あせらない(待つ): 質問をした後、少なくとも10秒は返答を待ちます 沈黙もケアの一部です
- あきらめない(尊厳): 言葉が通じなくても、表情や手に触れるぬくもりで安心を伝えます
金銭のことについては高齢になっても敏感に反応する方は多く「財布がなくなった」「あの人が取った」と言い混乱することがあります まず大金を本人に渡さない 施設を利用する場合は施設の事務所に預ける もしそれが妄想の場合はとりあえず一緒に探し「家の家族さんと連絡を取ったら家にあるって言っていた」など本人が納得するような理由を探す 本当に安いサイフをいるもポケットに入れておくようする
具体的なテクニック
- 視線を合わせる: 上から見下ろすのではなく、相手の目線に合わせて優しく見つめます
- 短い言葉で: 「お風呂に入ってから着替えてご飯にしましょう」ではなく、「お風呂に行きましょう」と一つずつ伝えます ですが注意が必要です 信頼関係が気づけていればお風呂に一緒に行くことを了承してくれますが信頼関係を気づけていない状態では知らない人とお風呂には行きたがらないでしょう お風呂が好きではない人には「お風呂」という言葉は禁句です

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結びに
認知症ケアのゴールは、症状を治すことではなく、その人がその人らしく、穏やかな表情で過ごせる時間を1分でも長くすることにあります あなたが「困った人」として接すれば相手は「困った行動」で返し、「大切な人」として接すれば相手は「穏やかな反応」を返してくれることがあります
鏡のように反応し合う関係性の中で、まずはあなた自身が余裕を持ち、相手の世界に優しくお邪魔するような気持ちで向き合ってみてください
なにか辛いことがあれば1人で抱え込まないようにしてケアマネージャー メンタルクリニックのカウンセラー等に相談し不安を解消していきましょう


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