介護用の衣類の重要性について

福祉、介護

介護服とは?必要な事、避けるべき事を深掘りします

・介護服とは想像の通り介護に適した服のことを指しています。利用者の自立支援を助け、支援者が介護しやすいように考えて作られていることがほとんどです。介護服の性質は衣類の伸縮性が十分にあり、汗をかいても乾きやすい素材を使用しています。前開きの服の場合は1人でも着脱しやすいような作りになっています。

結論から先にいいます。愛用している介護服にこだわっているのでなければ介護服にこだわる必要な全くありません。

介護用の服で必要な事、注意点

1,十分な伸縮性がある事、もしくはサイズを大きめにする:高齢になるにつれて関節の可動域が狭くなっていきます。もちろん骨の強度、皮膚の状態も衰え、少しの無理が大きな事故につながることもあります。私の介護士時代のことだが、毎回ショートステイ利用時にピチピチの伸びない生地の服を着せてくる家族さんがいました。利用者本人の見た目を気にしてのことだが、この利用者本人は声が出せない病をもっていました。介護士が毎回服の更衣をすると必ず苦痛の表情を浮かべるのです。自分でも着ることが難しいサイズの服を介護士は手探りで着せていくのですから当たり前の事です。他にも少し服を着るときに圧がかかると内出血しそこの皮膚が破れ出血する方を多く見てきました。

2,乾きやすい素材を使用していること:自分で着替えることや、自分の状況を伝えることができる人は汗をかいたらこまめに着替えればいいだけなのでいいと思うかもしれませんが、高齢になると体温調節が上手にできなくなっていることもあります。介護士時代、夜間に3回着替える利用者がいました。汗をかくことをわかっているのにものすごい厚着をして寝るのです。汗をかいたときにいかに身体を冷やさないかを検討しなくてはいけません。

3,着心地のいいもの:ものすごく着心地の悪い素材を着て寝たことはありますか。高齢者や病を抱えている人は我慢をすることになれています。自分の気持ちを表現しない人、表現できない人には支援者が気を利かせて尋ねてあげることも重要になってきます。着心地の悪いものを我慢して着ているとストレスがたまりすぎて多くのトラブルを結果になります。

4,丈夫な生地の衣類:自分1人で自宅で生活をされている方は買い換えればいいだけでしょうが、施設入所している利用者の衣類の乾燥には絶対乾燥機を使用します。必ずすぐに痛んだり縮みます。施設側に言っても無駄です。多くの利用者を抱えている場合1人の細かい対応まで気にすることのできない状況が生まれます。ましてや職場には様々なタイプの従業員がいます。毎回服のタグを気にして洗濯する従業員もいれば、そのような生地の衣類を持参する家族が悪いという従業員もいます。ましてや利用者が便失禁や尿失禁をした場合はハンターにつけ置きしなくてはいけません。

介護服に適した乾燥機に強い化学繊維の種類

ポリエステル::最も乾燥機に強い化学繊維の一つです。熱に強く、シワになりにくく、縮みにくい性質を持っています。スポーツウェアやシャツなど、多くの衣類に使用されています。

ナイロン::非常に丈夫で摩擦に強い繊維です。熱にも比較的強いため、乾燥機で乾かすことができます。靴下やストッキング、アウトドアウェアなどに使われます。

アクリル: 熱に強く、ふっくらとした風合いを保ちやすい繊維です。セーターや毛布など、ウールのような質感を持つ製品によく利用されます。


乾燥機に弱い化学繊維

一方で、以下の化学繊維は熱に弱いため、乾燥機の使用は避けるべきです。

レーヨン・キュプラ:これらは再生繊維で、水に弱く、乾燥機の熱で大きく縮む可能性があります。デリケートな素材なので、自然乾燥が推奨されます。

ポリウレタン:ゴムのように伸縮性のある素材で、熱によって縮んだり、劣化したりしやすいです。スポーツウェアやインナーなどに含まれていることが多いので注意が必要です。

代表的な天然繊維のコットンはどうなのか

コットン(綿)は、私たちの衣料品や日用品に最も広く使われている天然繊維の一つです。その人気の秘密は、多くの優れた性質にあります。ここでは、コットンの主な性質をメリットとデメリットに分けて詳しく解説します。

コットンの主な性質(メリット)

1. 優れた吸水性・通気性

コットンの繊維は中心部が空洞になっており、水分をたっぷりと吸収します。汗をかいても素早く吸い取ってくれるため、衣類が肌に張り付きにくく、サラッとした着心地を保ちます。また、通気性にも優れているため、汗をかいても蒸れにくく、夏は涼しく感じられます。

2. 優しい肌触り

コットンの繊維の先端は丸みを帯びているため、肌への刺激が少なく、チクチクしにくいのが大きな特徴です。ふんわりと柔らかく、自然で優しい肌触りは、下着やベビー服、寝具など、デリケートな肌に直接触れる製品に最適です。

3. 高い耐久性

コットンは、水に濡れると繊維の強度が増すという珍しい性質を持っています。そのため、洗濯に強く、気兼ねなく繰り返し洗うことができます。日常的に使うタオルやTシャツ、靴下などがコットン製である理由の一つです。

4. 優れた保温性

繊維の中心が空洞になっているため、そこに空気を含むことで体温を保ち、冬は暖かく感じられます。このため、コットンは夏は涼しく、冬は暖かい、一年を通して快適に使える素材です。

5. 熱に強く、アイロンがけも安心

コットンは熱に強い性質を持っているため、高温でアイロンをかけても生地が傷みにくいです。シワをきれいに伸ばすことができるので、お手入れが簡単です。

6. 染色しやすく、発色が良い

染料が繊維によく浸透するため、様々な色に染めやすく、美しい発色が得られます。デザインの多様性もコットンの魅力の一つです。

コットンの注意点(デメリット)

1. 乾きにくい

優れた吸水性を持つ反面、一度たくさんの水分を吸うと乾きにくいという弱点があります。特に湿度の高い季節には、生乾きによる雑菌の繁殖や臭いの原因になることがあるため、風通しの良い場所で干すなどの工夫が必要です。

2. 縮みやすく、シワになりやすい

洗濯によって水分を含むと繊維が膨張し、乾燥する過程で元のサイズに戻ろうとする際に縮みが生じやすいです。また、脱水時などにシワになりやすいため、洗濯後は形を整えてから干すことが推奨されます。

3. 色落ち・変色の可能性

染色しやすい一方で、特に色の濃いものは洗濯で色落ちすることがあります。白い衣類と一緒に洗うのは避けた方が良いでしょう。また、紫外線に長時間当たると黄ばみなど変色の原因になることがあります。

これらの性質を理解することで、用途に合った製品を選んだり、日々のお手入れを適切に行ったりすることができます。コットンはその快適さと扱いやすさから、今後も私たちの生活に欠かせない素材であると言えるでしょう。そしてなにより利用者、支援者の状態に合わせて慎重に選ぶ必要があります。

どのようなところで衣類を購入できるのか

筆者のおすすめはこれ

・丈夫で長持ち、乾きやすくて着心地がいいもの。それは登山用等のスポーツ用品の服を大きなサイズで購入することです。値段としては違う服に比べて高くなりますが高機能です。私の持っているmontbellのYシャツは5年着ていても大きな破損もなく、匂いもなく綺麗な状態を保っています。見た目重視のブランドなどはワンシーズン着れば、臭くなったり、色あせ、毛玉、糸のほつれが目立ってきます。monbellのYシャツが一枚8,000円だとして、見た目ブランド一枚3,000円のものワンシーズン5年着た場合5,000円のマイナスになります。不快感を併せ持つと目に見えない損失があります。

介護服を購入できる店舗

・最近は近くには大きめのデパートが増えています。イズミヤやイオンモールなど多くは高齢者の為の衣類を扱っているため手軽に購入できることができます。ライフなどスーパーの上にも併設されていることがありますが、購入時は前記で説明した内容に注意してください。

インターネット上での購入

・日常からインターネット上でやりとりしている方が購入する場合は安く購入できたり、直接施設に送ったりできるため扱いやすい方法です。ですがインターネット上でのトラブル、支払い方法には注意が必要です。web店舗では返品ポリシーを必ず見て下さい。クレジットカード情報の取扱にも注意が必要です。大手の会社のダミーサイトや名前をかたった詐欺メールがくることもあります。自身がない人にはおすすめできませんができれば使用する場合信用できる誰かに相談することをおすすめします。